外国人のお客さん対応はどうする？

タクシー業務には運転だけでなく、さまざまな接客スキルが求められます。実際に働く中で、外国人の方相手に難しいと感じるポイントについてまとめました。

タクシーの接客が難しい点

海外からの観光客も来る以上、接客が難しいと感じる場面があるかもしれません。実際、どんな時に難しいと感じてしまうのでしょうか。

さまざまなお客さんが乗ってくる

タクシーはお客さんを運ぶ仕事ですが、ただ運ぶだけでなくサービスやホスピタリティも重要となります。コミュニケーションを取るため、タクシーは接客業に近いといえるでしょう。加えて近年はインバウンド政策によって外国人観光客が増加し、タクシー運転手は多様な顧客に対応する必要があります。日本人以外のさまざまなお客さんに対しても、適切なサービスを提供しなければいけません。

顔が見えない状態で会話する

タクシー内では、運転手とお客さんは背中越しに会話をするため、表情が見えません。お客さんの居心地を判断するため、声のトーンや会話のテンポから雰囲気を察するスキルが必要です。さらに、安全運転にも注意を払う必要もあるので、タクシーの接客は難しいとされています。

英語を話せる場合のメリット

英語が話せると、「空港などで英語検定合格者専用レーンに並べる」というメリットがあります。外国人のお客さんを乗せることで乗車率が向上するだけでなく、専用レーンは比較的空いているため、行列を回避して効率よく乗客を回転させられます。

さらに、外国人観光客は遠距離の移動にタクシーを利用することが多く、客単価も高くなりやすいのがメリットです。英語が話せることで「多くの上客を獲得できる」といえるでしょう。

英語を話せない場合のデメリット

一方、英語が話せないとどうなるでしょうか。英語が苦手だと、外国人のお客さんが乗ってきたときにコミュニケーションが取りづらく、仕事のストレスが増えてしまいます。

また外国人乗客の対応に時間がかかってしまうため、結果として回転率が低下する可能性もあります。回転率は収入に直結するため、特に外国人の乗客が多いエリアで働く場合、英語が話せないことは大きなデメリットになるでしょう。

スマホでのコミュニケーションも検討する

タクシードライバーが英語を話せるメリットは明らかですが、流暢に話せる必要はありません。基本的に英単語だけでも会話が成立することが多いですし、スマホの翻訳機能を使えば意思疎通も可能です。

場合によっては、スマホの画面で地図を見せてもらうこともあります。重要なのは英会話スキルそのものではなく、コミュニケーション能力だと考えておきましょう。

外国人客への対応方法

外国人観光客への対応にはいくつか注意点があります。どのような対応が必要となるか、確認しておくことで実際の接客に役立てられるでしょう。

所持金が外貨のみ・両替していない時

外国人観光客が日本円を持っていない場合があります。このような場合は、連絡先や滞在先を控えて後で請求するのが良い方法です。

また、自分で判断せずに一旦会社に連絡し、指示を仰ぐのも確実な対処法です。特に、金額が大きい場合やお客さんの滞在期間が短い場合には、迅速に対応しなければいけません。こうした事態に備えて、事前に会社の方針を確認しておくと安心です。

チップを渡された時

日本にはチップの習慣がありませんが、外国人観光客からチップを渡されることがあります。この場合、断るのは失礼なので基本的に受け取っても問題ありません。ただし、そのまま自分のポケットに入れるのではなく、必ず会社に報告しましょう。会社の規定に違反しないようにしてください。

もし会社の規定が不明な場合は、事前に確認しておくと良いでしょう。（※個人タクシーの場合、チップは自分のものになりますが、正確な記録をつけておくことが推奨されます。）

日本語・英語が通じない時

外国人観光客が、必ずしも英語を話せるわけではありません。日本語も英語も通じない場合は、ジェスチャーや翻訳アプリを使ってコミュニケーションを試みましょう。それでも難しい場合は、会社に指示を仰ぐと良いです。

なお、日本の法律では、特定の条件を除いて乗車を拒否することはできません。凶器を所持している、人数が定員オーバーになるなどの理由がない限り、乗車を求められたら断れないことを覚えておきましょう。万が一の対応については、事前に会社のルール確認が重要です。また、対応に自信がない場合は、同僚や上司に助けを求めてみましょう。