タクシー業界へ転職を考えるにあたって気になるのが、タクシードライバーの平均年収や給料です。一般社団法人「全国ハイヤー・タクシー協会」が発表している資料によると、令和3年度の平均年収が280万4,000円、6月度の平均給料が22万5,300円でした。
ただし、タクシードライバーの平均年収や給料は地域によって差があるため、中には全国平均を大きく上回るエリアもあります。その最たる例が、タクシー利用客が多い東京です。ちなみに、令和3年度の東京都の平均年収は336万9,100円、平均給料は27万1,800円となっており、年収だけでも全国平均と50万円以上の差があります。
この他にも、給料が歩合制である場合、個人によっても平均年収や給料に大きな違いが出てきます。努力次第で平均年収を上回って稼げるのが、タクシードライバーの魅力の一つと言えるでしょう。
ここでは、タクシードライバーの給与体系について、詳しくご紹介します。後述の給与体系の他にも、昼勤務・夜勤務・隔日勤務と3つの勤務形態によっても、もらえる給与の額は変わってきます。
固定給与制度とは、毎月決められた給与が支払われる制度です。収入の安定感があるため、初めてタクシードライバーに挑戦される方などに向いているでしょう。ただし、固定給与制度を取り入れているタクシー会社は少ないのが現状で、後述する完全歩合制度または基本給+歩合給制度がほとんどです。
また、固定給与制度の場合、努力して営業成績を上げたところで月の給与額に変化はないため、人によっては歩合制の方が稼げるケースもでてきます。
完全歩合制度は、売上に応じて給与が変動する制度です。具体的には、月の売上のうち、予め決められた歩合率を乗じた金額が給与として支払われる仕組みになっています。つまり、個人の努力次第で、冒頭でご紹介した平均年収を超える金額を稼ぐことも可能です。ベテランドライバーであれば、完全歩合制度の方か固定給与制度よりも稼げるケースが多いでしょう。
ただし、営業成績が悪ければ、その分給与も目減りしていまいますので、収入が不安定であるといったデメリットが伴います。
月に決められた基本給にプラス、売上に応じた歩合給が給与として支払われる制度です。タクシー会社で多い給与体系が、この基本給+歩合給制度になります。基本給の保証がある中で、営業成績に応じて給与を上げることができるのは魅力的であると言えるでしょう。
タクシー会社によっては、歩合給の一部を賞与額に反映させる所もあるようですので、入社する前に給与体系について、詳しく確認することをおすすめします。
A型・B型というと血液型をイメージしますが、タクシー業界においてはドライバーに支払う給与の支給方式を表す言葉です。「A型賃金」「B型賃金」「C型賃金」「AB型賃金」の4つに分類され、それぞれの支給方式の特徴について見ていきましょう。
A型賃金は一般企業のサラリーマンに近い給与体系で、固定給に加えて、歩合給や各種手当、賞与、退職金、福利厚生が支給されます。他の給与体系に比べて固定給の割合が高いため、営業売上が少なくても安定した給与を得やすいのが特徴です。一方で歩合給の割合が小さくなるので、稼ぎたいタクシードライバーにとってはやりがいを感じにくいのがデメリットになります。
昔はA型賃金が主流でしたが、不況や燃料などの原価高騰のあおりを受け、現在ではA型賃金の給与体系を取り入れているタクシー会社はほとんどありません。ハイヤードライバーの仕事については、A型賃金を取り入れている会社がまだ存在します。
B型賃金は歩合率が高いのが特徴で、営業売上に準じて給与が支払われるシンプルな仕組みをしています。売上次第で年収800万円や1,000万円も目指せることから、経験豊富なタクシードライバーに人気の高い給与体系です。完全成功報酬型で一番稼げる給与体系ですが、営業売上によっては給料が大きく下がってしまうリスクもあります。
常に高い水準の営業収入をあげられる経験者向きとなるため、タクシードライバー初心者にとってはハードルの高い給与体系と言えるでしょう。
C型賃金はリース方式とも呼ばれる給与体系で、車両をドライバー自身で持ち込む個人タクシーに近い形式で行われるのが特徴です。B型賃金と同じく歩合給となりますが、C型賃金は月間売上から管理費や燃料代などの経費を差し引いた残額を基準に給与が計算されます。
業務委託や個人事業主のような働き方になり、出勤や休みをある程度自由に決められるのがC型賃金のメリットです。一方で、必要経費が毎月固定で発生する他、車両や設備のメンテナンスなどもドライバー自身で行う必要があるため、給与が実質マイナスにならないように収支管理の能力が求められます。
AB型賃金は、タクシー業界で一番多く取り入れられている給与体系です。A型賃金とB型賃金の良いところを取り入れた給与体系をしており、固定給と歩合給で構成されています。歩合の一部が賞与として積み立てられ、年2~3回に分けて支給されるのが特徴です。
営業売上で思うような成果が出せなかった月でもB型賃金のように給与が大きく変動することがなく、うまくいった月は頑張った分が歩合給と賞与に反映されるのがメリットになります。一方でAB型賃金の解釈がタクシー会社によって異なるため、固定給や歩率、賞与の支給方式がどう定められているのかについて十分な確認が必要です。
本メディアでは、練馬区にあるタクシー会社の中からニーズ別におすすめの3社をご紹介。未経験からタクシードライバーを志す方は、ぜひ参考にしてください。
平均年収 | 平均522万円・最高744万円 |
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勤務形態 | 隔日勤務制 |
定年 | 65歳選択定年制 |
平均年収 | 公式HPに記載なし |
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勤務形態 | 隔日勤務例・日勤勤務・ 変形労働時間制 |
定年 | 公式HPに記載なし |
平均年収 | 公式HPに記載なし |
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勤務形態 | 隔日勤務制・定時制勤務 |
定年 | 定年65歳以降嘱託及び定時制 |
【選定基準】2022年11月1日時点、Google検索「タクシードライバー 練馬区」でヒットした全7ページのうち、練馬区のタクシー会社をすべて調査。全12社のうち、以下の条件で選定
・日交練馬…タクシー保有台数当たりの売上が12社のうち最も高いタクシー会社
・国産自動車交通…12社のうち唯一、日中専門や夜だけ専門の日勤勤務があり、月間8日間の公休があるタクシー会社
・日生交通…定年65歳以降嘱託及び定時制があり、12社のうち唯一「健康優良企業 銀の認定」を取得していて働きやすい環境を整えているタクシー会社