タクシードライバーの残業時間

タクシードライバーは残業時間が多い？

タクシードライバーというと長時間労働をイメージされる方は少なくないでしょう。しかし、タクシードライバーの安全と健康を測る目的から、現在は労働時間が見直され、法律により厳しく規定されています。ここでは、タクシードライバーの労働時間や残業時間についてどのようになっているのが、詳しく解説します。

タクシードライバーの法定労働時間

１日または週に働ける時間は法律によって定められています。それが法定労働時間です。具体的には労働基準法によって「1日8時間、週に40時間」と定められています。

ただし、変形労働時間制を採用している場合、週に40時間内に収まっていれば、8時間を超えても良い場合があります。法定労働時間を超えて残業させる場合は、事前に労使協定を結ばなくてはいけませんが、タクシードライバーの場合は「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」に定める拘束時間内であれば、残業させることが可能となっています。

参照元：厚生労働省（https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/index.html）

参照元：厚生労働省（https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/roudoujouken05/index.html）

隔日勤務の拘束時間

前述でも解説した「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」によって、隔日勤務の拘束時間の上限は、1日21時間、1か月に262時間と定められています。この範囲内であれば、残業させることが可能です。また労使協定を結ぶことによって、１か月の拘束時間の上限を270時間まで延長させることができます。

日勤の拘束時間

日勤（昼日勤または夜日勤）の場合は、１日の拘束時間の上限は原則13時間、1か月299時間と定められています。ただし、やむをえない事情がある場合は１日の拘束時間の上限を16時間まで延長させることが可能です。隔日勤務と同様、拘束時間の範囲内であれば残業をさせることが可能となっています。

タクシードライバーの休息時間

ここで言う休息時間とは、勤務終了後から次の勤務開始までの時間のことを指します。休息時間についても拘束時間と同様に、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」によって明確に時間が決められています。

隔日勤務の場合は20時間以上、日勤勤務の場合は８時間以上の休息時間が必要です。拘束時間の上限まで働き、翌日早出するようなケースは、休息時間の不足により違法となる恐れがありますので注意しましょう。

タクシードライバーの休日

タクシードライバーの休日についても「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」によって基準が設けられています。休日は「休息時間+24時間の連続した時間」と定められており、この条件を満たさない場合は休日として認められません。

日勤勤務の例でみると、8時に出社し24時に退社、8時間休息したのち、翌日の8時以降に出社すれば、「休息8時間+24時間」の条件を満たしますので、1日休日を取得したことになります。ですが、翌日の7時に出社する場合だと、「休息8時間+23時間」となり休日として扱われなくなります。休日明け早出するような場合は注意が必要です。

タクシードライバーの労働時間は改善されている

タクシードライバーの仕事は、幅広い利用客のニーズに応えなくてはならず、待機時間もあることから自然と長時間労総になりやすい傾向があります。そのような労働環境を改善すべく、厚生労働省の「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」によって、労働時間や休日など明確に規定されています。

また、2024年からは、新たに改善されたルールが施行される予定です。主な改善点は日勤勤務に関するもので、拘束時間の最長が16時間→15時間、1か月299時間→288時間に変わる予定となっています。

参照元：厚生労働省（https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/roudoujouken05/index.html）

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